「うちの家系は代々ハゲだから…。」

「父親もハゲだから、将来俺も…。」

こんな男性の悩みを他人事だと思ってませんか?

ハゲが遺伝することはよく知られていますが、実はこれ女性にも当てはまります

女性であっても、遺伝の影響で薄毛になると近年の研究で分かってきました。薄毛なんて他人事だと思っていても、将来遺伝による薄毛に悩むことになるかもしれませんよ。

今回の記事では女性の薄毛と遺伝の関係について紹介していきます。

親戚に薄毛の男性が多いという人はぜひ一読して下さい!

 

遺伝の影響で引き起こされるFAGAって何?

AGAの薄毛メカニズム

男性の薄毛を引き起こす原因として広く知られているのがAGA(男性型脱毛症)です。
この女性が発症するAGAのことをFAGA(女性男性型脱毛症)と呼んでいます。

AGAとFAGAのメカニズムはこちらの40代女性の薄毛の原因と対策の記事を参照ください。

そして、実はこのFAGA、遺伝の影響を受けやすい薄毛症状です。そのため、遺伝の影響により、FAGAになりやすい人とそうでない人というのが別れます。

では、FAGAになりやすい人とFAGAになりにくい人はどこで別れるのか。ポイントとなるのが、アンドロゲンレセプターの遺伝です。

 

どうして薄毛が女性にも遺伝するのか?

遺伝子イメージ

DHT(ジヒドロテストステロン)とアンドロゲンレセプターが結合することが、FAGAの引き金になります。

ただ、アンドロゲンレセプターがどのくらいDHTと結合しやすいかには、大きな個人差があります。

ある人のアンドロゲンレセプターは簡単にDHTとくっついてしまうのに対して、他の人のアンドロゲンレセプターは全くDHTに反応しないというケースもよく見られます。

このアンドロゲンレセプターの性質は遺伝に左右されます

高校の生物の復習

ここで簡単に遺伝の話をしておきます。人間の遺伝子は染色体を通して、次の世代に受け継がれます。

そして、染色体にはX染色体とY染色体という2つのタイプがあります。

このX染色体とY染色体の組み合わせによって、性別の違いが生まれることになります。男女の染色体の組み合わせは、

  • 父親:X染色体+Y染色体
  • 母親:X染色体+X染色体

です。父親と母親からそれぞれ染色体を一つずつ受け継ぐため、人間は2つの染色体を併せ持ちます。

遺伝子イメージ2

染色体には人間の体の器官を作るための設計図が記録されています。

当然ですが、その設計図には毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプターの情報もあります

アンドロゲンレセプターはX染色体・Y染色体どっち?

そして、このアンドロゲンレセプターの設計図はY染色体ではなく、X染色体に含まれていることが分かってます。

X染色体が持つアンドロゲンレセプターの設計図は塩基配列(えんきはいれつ)という形で記録されています。

塩基配列を構成する物質には

  • A(アデニン)
  • T(チミン)
  • G(グアニン)
  • C(シトシン)

があります。このA、T、G、Cが「ATGCAATGC…」といった形で並んでいるものを塩基配列と呼びます。

塩基配列イメージ

アンドロゲンレセプターの塩基配列をチェックすると「CAG」、「GGC」というパターンが繰り返し出現します。しかし、「CAG」、「GGC」の繰り返しの数は人によって異なっており、しばしば繰り返しの回数が非常に少ない塩基配列を持つ人がいます。実はこの「CAG」、「GGC」の繰り返しが少ないタイプの塩基配列を持つ人のアンドロゲンレセプターはDHTと非常に結合しやすい性質があります

 

DHTと結合しやすいアンドロゲンレセプターの塩基配列のことを、「脱毛遺伝子」と呼ぶこともあります。この脱毛遺伝子が受け継がれた場合、FAGAを発症しやすい体質が遺伝します

女性が遺伝するパターン

ちなみに、女性の場合、父親のX染色体と母親のX染色体を併せ持つことになります。そのため、父親か母親のどちらかがX染色体に脱毛遺伝子を持っていた場合、FAGAになりやすい体質が遺伝する可能性が出てきます。

  • 父親:X染色体(脱毛遺伝子含む)+Y染色体
  • 母親:X染色体+X染色体
  • 自分:X染色体(脱毛遺伝子含む)+X染色体

 

  • 父親:X染色体+Y染色体
  • 母親:X染色体+X染色体(脱毛遺伝子含む)
  • 自分:X染色体+X染色体(脱毛遺伝子含む)

ただ、女性はX染色体を2つ持っているため、脱毛遺伝子を持たないX染色体の情報でアンドロゲンレセプターが作られた場合には、FAGAになりやすい体質は遺伝しません。

 

しかし、確実にFAGAになりやすい体質が遺伝するのは下記のパターンです

  • 父親:X染色体(脱毛遺伝子含む)+Y染色体
  • 母親:X染色体(脱毛遺伝子含む)+X染色体(脱毛遺伝子含む)
  • 自分:X染色体(脱毛遺伝子含む)+X染色体(脱毛遺伝子含む)

両親が持つX染色体全てに脱毛遺伝子が含まれているケース、この場合は確実にFAGAになりやすい体質が遺伝します。

 

もし父親と母方の祖父がハゲているなら、薄毛の遺伝に要注意!

髪を気にする女性

ここまで女性の薄毛が遺伝するメカニズムを見てきました。ただ、具体的にはどうやって遺伝的に薄毛になりやすい体質かどうかを判断すればよいのでしょうか?

まず、言えることは、父親がハゲているなら、父親から脱毛遺伝子が遺伝しています。ただ、問題は母親の方。

母親は女性なので、男性である父親のようにハゲることはありません。そのため、母親を見ていても、母方から脱毛遺伝子を受け継いでいるかは分かりません。

チェックすべきは母親の父親、つまり母方の祖父です。

母方の祖父がハゲているようなら、母方の祖父は脱毛遺伝子を持っています。

その脱毛遺伝子が母親に遺伝し、さらに自分にも引き継がれている可能性は十分に考えられます

したがって、父親と母方の祖父がハゲている人は現在は薄毛でなくても、加齢によって女性ホルモンの働きが弱まると、FAGAの症状が現れる可能性が高いです。

大豆

そのため、今のうちから体内の女性ホルモンの働きを補う力があるイソフラボンを含んだ大豆製品を摂取するといった対策を行うのがおすすめです。

また、もしすでにFAGAの薄毛症状が現れているようなら、女性ホルモンの働きを高める成分や5αリダクターゼを抑制する成分を配合した女性用育毛剤を使って対策するようにしましょう。

 

遺伝による薄毛か・別の原因か 見分けがつくの?

遺伝なのかそれとも別の原因か

男性の場合、遺伝による薄毛かどうかを判断するのは簡単です。なぜなら、遺伝による薄毛であるAGAが原因の場合、生え際や頭頂部が集中的にハゲるという特徴があるためです。

ただ、女性の場合は違います。

女性の遺伝による薄毛症状であるFAGAは髪の分け目やつむじから始まって、全体的に髪の毛が薄くなっていきます。外見上は髪の毛に大きな変化は見られません。

そのため、自分より先に他人がFAGAの薄毛に気づくことはほとんどありません。

FAGAの場合、本人がヘアスタイルをセットしている時に、「トップのボリュームが無くなってきた」といったことを感じ、はじめて薄毛を意識するケースが多いです。

男女の薄毛の違い

ただ、ダイエットによる栄養不足、頭皮環境の悪化による薄毛の場合も同じように、全体的に髪の毛が薄くなっていくという特徴が現れます。

そのため、女性の場合は薄毛症状の現れ方だけで遺伝による薄毛かどうかを判断するのは困難です

 

もし判断基準として考えられるものがあるとしたら、女性の年齢です。

遺伝で薄毛になりやすい体質を受け継いだ女性であっても、10代・20代の若い頃にFAGAの症状が現れることはほぼ皆無です。なぜなら、この時期は女性ホルモンが活発に分泌されており、男性ホルモンが活発化することは無いためです。ただ、40代以降、女性ホルモンの分泌量が減ってくると、男性ホルモンの働きが強まり、FAGAの症状が現れることがあります。

したがって、もし

  • ダイエット
  • ヘアカラー
  • パーマ
  • 過度なストレス

といった要因に心当たりがないのに、40代以降の女性が薄毛になったなら、遺伝による薄毛を疑ってみるのが良いでしょう。

 

まとめ

イラスト・髪ピイちゃん筆もち

薄毛が遺伝するのはよく知られている事実です。ただ、女性の場合も遺伝で薄毛になるというのは初耳の人も多いのではないでしょうか?

女性は薄毛が遺伝しても、髪の毛を育てる力を持つ女性ホルモンの働きが強いため、男性のようにハゲあがってしまう心配はありません。

ただ、年を取って女性ホルモンの働きが弱まってくると、FAGAの症状が出る可能性があります。特に父親と母方の祖父が薄毛の人は要注意です。

心当たりのある人はイソフラボンを豊富に含む食品を摂取するなどして、FAGAにならないための対策を行うことをおすすめします。